令和2年度 ビジネスプラン実証支援事業:株式会社東京電機
「IoT活用の遠隔操作が可能なゴムクローラー式移動電源車」

株式会社東京電機×株式会社諸岡
どんな災害現場にも駆けつけ、人々に少しでも安心を届けたい

■ビジネスプラン実証支援実施に際して

・次世代技術活用ビジネスイノベーション創出事業参加のきっかけ

弊社は非常用自家発電装置のメーカーとして活動しております。近年では排ガス規制がますます厳しくなっており、将来的なディーゼルエンジンを主体とする発電装置市場の先細りに、弊社は強い危機感を抱いております。
今回の創出事業をきかっけに既存事業の固定概念に捕らわれず、新事業を発案・実現するための、知識・ノウハウなどを、体系的に学びたいと考えております。事業構想の具体例や思考法を学ぶとともに、共同研究開発に繋がり得るような人脈作りも行い、新事業開拓の機会・選択肢を広げていきたいと考えております。これら一連の活動を通して、弊社の新たな軸となる事業を実現することを最終目標としております。

・会社概要

企業名:株式会社東京電機
ホームページのURL:https://www.tokyodenki.co.jp

東京電機は、2020年に100周年を迎えた自家発電装置のリーディング・カンパニーとして、設計から製造・据付・メンテナンスまでトータルソリューションでお応えし、一般社団法人日本内燃力発電設備協会の認証を受けた、高品質で信頼性に優れた製品を提供しています。
自家発電装置は、停電を検知すると自動でエンジンを起動し、給電までを全自動で行います。全てが自動制御なので誤操作もありません。必要な時(停電時)、必要な機器(負荷)に、必要な時間(燃料備蓄)給電できるのが(ディーゼル)自家発電装置の強みです。3.5~2000kVAまで豊富なラインナップがお客様のご要望をかなえます。
また、自家発電装置は、ご納入後の新品状態から徐々に、経年変化していきます。適正な性能維持にはメンテナンスは欠かせません。メーカー直結のメンテナンスエキスパート会社(東京電機機器サービス株式会社)と、ご契約頂くことにより製品を常に適正に保ち性能維持を支えます。


・実証支援で取り組むこと     

本実証事業においては、試作機を製作し、総合評価試験、フィールド評価試験等々を経て、実際の災害地域においての給電作業、悪路走行性、遠隔操作性などを確認し、市場投入できるか確認を実施します。本製品には、車両側に遠隔運転用の通信機器・カメラを搭載しており、運転時の状況を把握するのみでなく、災害被災地到着後の現地の周囲状況も確認する事が可能である。また、発電機側にも遠隔通信機能を搭載しており、発電機の運転・停止のみではなく、定期的に遠隔運転をさせ運転状況を確認するモニターにて遠隔診断を実施する事が可能です。
将来的な展望としては、電源の他に、浄水器など+α 追加し機の充実、及びクローラー車をEV 化し、その電力も発電装置から供給するというシナジー効果が得られることを期待しています。

・目標、今回の取り組みへの思い

本プランを実証する事で、実際の災害地域での本装置の有効性を確認し、電源復旧までの時間を1/2 に、電源復旧に関わる人員を1/4 に、電源復旧にかかる費用を1/10 まで削減できる可能性があるなど、実際の災害でのあらゆる負担を軽減します。また生活には欠かせない電源を確保できる事から、被災住民への不安解消・健康維持にも大きく貢献することが出来ます。

・事業化への課題

本選定プランにおいては、2 社共同開発であり、両社の得意分野での新規融合機種です。よって技術的な課題に対しては両社の長い技術の蓄積を元に解決していく事が出来ます。
しかし、新機種で2 社共同開発であるがゆえに販売先をお互いの販売ルート及び新規拡販ルートの開拓が必要と考え模索している状態です。海外展開・レンタルも含め災害使用時以外の運用についても幅を広げていく事が今回の大きな課題となります。

■実証支援の風景 

※ドッキング試験

※走行試験

 

※実地メンタリング
(東京電機本社で営業戦略に関するメンタリングと装置特性を生かした戦略検討のための意見交換を実施)

■ビジネスプラン実証支援を受けて

・支援の感想

メンターによる支援を受けることで、相談・応援などを受けることにより、常に開発に進められるモチベーションを高く維持できました。

・今後、取り組みたい事

早めにPR活動を実施し、客先の反応を確認するラインナップの拡充および機能の拡充を行います。

・プラン構築研修、実証支援事業で得たものを今後どのように生かしたいか

特に、新規事業の進め方を営業活動(マーケティング)

・成果

・高い悪路走行性を誇り災害発生翌日中には重要設備・非難設備への電力供給が可能。
・モニターを利用した遠隔操作及び被災地の状況確認が可能。
・発電装置に通信機能を搭載し定期的な遠隔診断を実施。
・発電容量は体育館などの避難所用電源として3φ200V-100kVA。
・コンセント電源として100Vを準備。
・EV車用急速充電器や浄水器等の搭載も検討。搭載予定。

事業成果:本事業における試作品の完成を果たし、フィールドの使用に耐え、無線操縦、無線診断等のIoT技術も組み入れる事ができました。今後は本製品の災害使用での認知度を上げるべく、拡販・営業活動に力を入れていきます。両社の営業活動も本格的に稼動し始め、今後、プレスリリース、展示会等を足掛かりに市場へ投入していきます。
※正式な製品名は「ゴムクローラー型電源車MTRP-100」になりました。

・共同企業

株式会社諸岡https://www.morooka.co.jp/
共同開発への思い:災害地域にいち早く電源を届けることは、被災住民の不安解消や生活への復旧が早まるだけでなく、二次災害の防止や被災関係者の心の安寧にもつながることでしょう。2014年の御嶽山噴火時には、岩石や粉じんだけでなく有毒ガスに阻まれ、電源復旧のための支援等も思う様ではありませんでした。その時の思いがあり、どんなところにでも進める車体と操作性をもつ電源車を共に開発し、世の中に届けたいと願い、取り組んでいます。

 

●関連企業
東京電機機器サービス株式会社 http://tokyodenki-tks.co.jp

【お問い合わせ】
・株式会社東京電機
https://www.tokyodenki.co.jp
TEL 029-857-4345
開発グループ新事業推進チーム 鈴木 清生/中根 和彦

・株式会社諸岡
https://www.morooka.co.jp
TEL 070-4490-1609 研究開発課